どんな病気?

小児アトピー性皮膚炎は皮膚のセラミド(皮膚表面のあぶらの大部分で、保湿効果が高い物質)の異常による皮膚のバリアー機能の低下でおこり、皮膚の水分が蒸発し、カサカサになってしまうことです。
皮膚のバリアー機能は、細菌やウイルス、汚れ、汗、ほこり、ダニなどの刺激から体を守ってくれる働きがありますが、この機能が低下すると、外からの刺激が直接皮膚を刺激し、炎症をおこします。そしてこの炎症により皮膚がかゆくなり、ボリボリとかいてしまいます。すると今度はかくことによって皮膚をかきこわしてしまい、さらに症状が悪化するという「悪循環」になってしまいます。
一般的には乳幼児期に発症して10歳代はじめに60〜70%が治ってきますが、思春期や成人になってから再発することがあります。
アトピーの原因は多く、1つに絞り込めないことがよくあります。食物、汗、環境因子、細菌、真菌、接触抗原(ほこり、ダニなど)、ストレスなどが考えられますが、何がアレルゲン(病気をひきおこす物質)かを検査することも必要になってきます。

どんな病気?

上記のような原因や、病気を悪化させているものがみつかれば、それを取り除くことで症状は軽快します。しかし、食物を取り除くことは無理にはせず、医師とよく相談してから決めてください。
お薬を使用する場合は、アレルギー反応を抑える薬や、炎症を抑える塗り薬などを使用しますが、どちらも大切なことは医師の指示を守って使用することです。
アトピー性皮膚炎で重要なことは、皮膚を清潔に保つことです。これは毎日のちょっとした注意で違ってきます。
@毎日入浴し皮膚を清潔に。このとき石鹸などでやさしく洗い、石鹸が残らないように洗い流す。塗り薬が処方されているときは入浴後の使用が効果的です。
A皮膚の保湿を保つ。保湿剤などが処方されていればお風呂上りが効果的です。
B室内を清潔に。ほこり、ダニなどを取り除きましょう。
C洗濯物はよくすすぎましょう。柔軟剤などが刺激となっていることがけっこうあります。
D爪は短く切り、清潔にヤスリで角は丸くしてあげましょう。
かゆみのないアトピー性皮膚炎はありません。特に夕方から夜にかけて体温の上昇とともにかゆみが増すことが多いようです。本人の状態をよく理解し、ご家族の方も協力するようにしてください。アトピー性皮膚炎は治らない病気ではありません。うまくコントロールすれば他の子と同じような生活ができます。本人、医師、家族みなさんで病気と気長につきあっていくようにしましょう。

昭府小児科クリニックTOPへ