感染性胃腸炎とは、吐き気や嘔吐、下痢を主な症状としますが、腹痛や発熱がおこることもあります。一般的にいう「お腹の風邪」はこれになります。
原因としては、ウイルスや細菌によるものがほとんどで、ウイルスの種類としては、ロタウイルスとノロウイルス(ノーウォークウイルス、ノーウォーク様ウイルス、小型球形ウイルスなど)がほとんどで、その他、アストロウイルスやアデノウイルスなども原因となります。細菌性のものとしてはカンピロバクターが約半数で、次いで病原性大腸菌やサルモネラ、腸炎ビブリオなどが多くなっています。
乳幼児に好発しますが、大人でもよくかかります。乳幼児の場合は、脱水症状になりやすいため注意が必要です。
ウイルス性は秋から冬にかけて流行し、細菌性は夏に流行するのが一般的でしたが、現在では1年を通してみられます。
潜伏期間は約1〜2日です。
細菌性のものであれば抗生物質が有効なこともありますが、ウイルス性のものの場合は対症療法が中心となります。脱水のある場合などは点滴をすることもあります。
吐き気がひどいときは絶飲絶食でも大丈夫です。吐き気がおさまってきたら少しずつ水分(オチョコ1杯くらい)を飲ませてあげてください。
水分がとれるようになったら、うどんやおかゆなどの消化のよいものを少しずつ食べさせてあげてください。このとき脂っこいものや、硬いものはお腹に負担となり、吐き気がぶりかえすことがあるため避けてください。
食事開始時は、米・小麦・ジャガイモ・ニンジン・シリアル・鶏肉など、脂肪分が少ない肉や野菜がよいでしょう。
最近では自然食ブーム(無農薬栽培)のため細菌性の胃腸炎が多くなりました。また夏場には焼肉やバーベキューによる細菌性の胃腸炎も多くみられます。料理をつくるときにも注意してあげてください。細菌による食中毒の年間件数の3/4は5月から10月に発生しますので、感染予防を心がけましょう。
予防法として
1,食材の取り扱い…生の野菜は流水で充分に洗いましょう。肉類や冷凍食品は 充 分に加熱しましょう。
2,調理器具の管理…調理に使った器具は、熱湯と漂白剤で清潔にしておきましょう。
3,調理する人の手洗い…調理する時は、手に触れた食材が変わるごとに手洗いをし ましょう。
4,調理から摂取まで…室温でも比較的短時間で増殖する菌もあります。調理の時間 と調理後の食品摂取までの時間を短くしましょう。